真空熱処理

真空炉

真空中で熱処理すれば酸化、脱炭せず、逆に酸化膜が還元され、脱ガスも行われるので、表面光輝状態を保護した熱処理が行えます。真空熱処理は、焼なまし、焼入れ、真空浸炭、真空ブレージング(ろう付け)などに応用されています。

一般に真空と呼ばれる雰囲気は完全に何もない空間を意味するのではなく、圧力が大気圧以下に減圧された状態です。

通常の雰囲気加熱の設備ではどんな高純度ガスを使っても、数ppmの不純物の影響は避けられないですが、真空では簡単にそれ以上の雰囲気を作ることができます。

真空熱処理の目的

酸化、脱炭せず、光輝熱処理の目的を達成する

真空熱処理の種類

真空焼入れ

金属熱処理で一番広く利用されているのが真空焼入れです。これまで塩浴(ソルト)で加熱されていた工具、金型、ステンレスなどは加熱後の急速ガス冷却装置が開発されたことにより、真空に変わってきています。

真空加熱では、金属に合わせた真空度を選択することによって、酸化、蒸発、脱炭のない光輝な表面が得られます。

冷却媒体に窒素(N2)ガスを使用しますが、普通は1バール程度の圧力なので冷却速度が速くありません。SKHやSKDの場合には5~6バールの加圧N2冷却を行います。これは冷却速度は550℃のソルト熱浴と同程度です。 現在では20バールの加圧Heガス冷が開発されており、冷却速度は静止油に該当すると言われています。

真空炉

真空浸炭

浸炭焼入れをご覧ください。

参考) 熱処理ノート 大和久重雄 著 (日刊工業新聞社)、金属熱処理科(職業能力開発大学校 研修研究センター編)

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