高周波焼入れ
高周波焼入れでは、高周波による誘導加熱を利用して表面焼入れを行います。電流を流すと、一般には断面一様に流れますが、周波数(Hz)が高くなると、表面層しか流れなくなります(表皮効果)。
高周波焼入れはこの表皮効果を利用した表皮加熱焼入れであり、焼入れ深さは周波数が高くなるほど浅くなります。通常、深さは1~2mm程度です。
高周波焼入れの目的
- 耐摩耗が必要な部分のみ表面焼入れを行い、硬化させる
- 表面のみ硬度を高め、内部は靭性を保つ
高周波焼入れの原理
- 磁性体に銅線を巻いて交流電流を流すと、鋼の表面に磁束が生じ、内部に誘導電流(過電流)が流れる
- 表皮効果により鋼の表面部に過電流は集中し、加熱を行う
- 表面部がオーステナイト状になるまで加熱し、しばらく保持して、急冷する
参考) 熱処理ノート 大和久重雄 著 (日刊工業新聞社)
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