金属熱処理 Q&A

 機械構造用合金鋼(SCM435など) / 硬さ / 高周波焼入れに関するお問い合わせ

SCM440材でシャフトの高周波処理を依頼したところ、硬化層深さの規定値幅が狭いため高周波処理前に焼入れ・高温焼戻し(調質)を行いたいと言われました。理由を教えて貰えませんか?

高周波処理は瞬間的に加熱を行い保持時間も極端に短く直ぐに急冷します。
生材の組織ですとオーステナイト領域に加熱されてもクロム、モリブデンなどの添加元素は固溶されない割合が大きく硬さにムラが生じます。

焼入れ・高温焼戻しの処理が行われていれば、金属組織はソルバイトであるためオーステナイトへ固溶され易くなります。そして、硬化層深さも均一になります。

金属組織形状によって、オーステナイトへ固溶し易い、固溶し難いことが高周波処理前の焼入れ・高温焼戻し工程の必要性になります。

 

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