質問
インコネル718、INCONEL alloy 718、IN718、Inco718、NCF718などの表記を見かけます。これらは同じ材料として熱処理を相談してよいのでしょうか。
回答
インコネル718は、耐熱性や高温強度が必要な部品で相談されることが多いニッケル基合金です。英語表記では INCONEL alloy 718、Inconel 718、IN718、Inco718 などの形で書かれることがあります。
ただし、図面や材料証明書に書かれた表記が似ていても、熱処理の条件を材料名だけで決めるのは安全ではありません。熱処理相談では、材質名、規格、材料証明書、素材状態、希望する処理、要求特性を合わせて確認します。
よくある表記と確認ポイント
| 表記 | 相談時の見方 | 確認したいもの |
|---|---|---|
| インコネル718 | 日本語でよく使われる呼び方です。 | 図面、規格、材料証明書 |
| INCONEL alloy 718 | Special Metalsの資料で使われる正式な合金名です。 | メーカー資料、UNS番号、規格指定 |
| Inconel 718 / IN718 / Inco718 | 英語図面や社内資料で略記されることがあります。 | 略称ではなく、材料証明書上の材質・規格 |
| NCF718 | 国内の図面や材料表記で見かけることがあります。 | 適用規格、相当材かどうか、ミルシート |
| Nickel alloy 718 / Alloy 718 | ニッケル基合金718として広く表現されることがあります。 | 商標名ではなく、実際の材料規格 |
熱処理では「呼び方」より「要求条件」が重要です
インコネル718は、固溶化処理や時効硬化処理の相談が多い材料です。熱処理後に何を満たしたいかによって、確認すべき条件が変わります。
- 材料証明書に記載された材質名・規格
- 素材状態: 鍛造材、圧延材、鋳造材、AM材など
- 希望する熱処理: 固溶化処理、時効硬化処理、応力除去、AM材の後処理など
- 要求特性: 硬さ、引張強度、高温特性、寸法安定性など
- 検査項目: 硬さ測定、引張試験、組織観察、熱処理チャート、検査成績書など
- 数量、サイズ、希望納期
AM材の場合は特に注意が必要です
インコネル718のAM材は、従来製造法材と同じ熱処理条件でも同じ結果になるとは限りません。造形条件、造形方向、内部欠陥、残留応力、サポート除去状態などが、熱処理後の結果に影響するためです。
AM材の熱処理を相談する場合は、造形方法、造形条件、造形後の状態、必要な検査項目まで合わせて伝えると、可否判断と工程検討が進めやすくなります。
問い合わせ前チェックリスト
- 図面に書かれた材質名をそのまま伝える
- 材料証明書があれば添付する
- 規格指定、社内仕様、顧客仕様の有無を確認する
- 希望する熱処理工程を整理する
- 処理後に必要な硬さ・強度・検査を整理する
- 数量、サイズ、希望納期を伝える
































