質問
ハステロイとはどのような材料ですか。SUSやインコネルとは何が違いますか。熱処理や加工を相談するときは、何を伝えればよいですか。
回答
ハステロイは、耐食性を重視して使われることが多いニッケル基合金群です。SUSは鉄を主成分とするステンレス鋼、インコネルは耐熱性や高温強度を重視して使われることが多いニッケル基合金として相談されます。
ただし、ハステロイにも複数のグレードがあり、用途や処理目的によって対応可否と確認事項が変わります。熱処理や加工を相談するときは、「ハステロイ」とだけ伝えるのではなく、グレード名、図面、数量、要求特性を合わせて伝えるのが安全です。
まず押さえる違い
| 材料 | 大まかな位置づけ | 相談時に確認したいこと |
|---|---|---|
| SUS | 鉄を主成分とするステンレス鋼 | SUS304、SUS316、SUS630などの鋼種、熱処理目的 |
| インコネル | 耐熱性・高温強度で相談されることが多いニッケル基合金 | 718、600、750Xなどの材質名、固溶化・時効硬化などの目的 |
| ハステロイ | 耐食性で相談されることが多いニッケル基合金 | 正式なグレード名、使用環境、処理可否 |
ハステロイは「グレード名」まで確認が必要です
ハステロイは1種類の材料名ではなく、複数の合金を含む呼び方です。グレードによって成分、用途、熱処理や加工上の注意点が変わります。
- 正式なグレード名、相当材、UNS番号
- 相当材やUNS番号があればその番号
- 図面、数量、寸法
- 使用環境
- 熱処理、応力除去、検査など、相談したい工程
SUSとの違い
SUSはステンレス鋼で、鉄を主成分としています。一般的な耐食性、加工性、コストのバランスが良く、幅広い部品に使われます。
一方、ハステロイはニッケル基合金として扱われることが多く、より厳しい腐食環境で検討されることがあります。そのぶん材料費や加工難易度も変わりやすいため、SUSからハステロイへ置き換える場合は、使用環境と要求特性を整理して相談する必要があります。
インコネルとの違い
インコネルもハステロイもニッケル基合金として相談されますが、相談の入口が異なることが多い材料です。
- インコネル: 高温強度、耐熱性、時効硬化などで相談されやすい
- ハステロイ: 腐食環境、薬品環境、耐食性の相談で出てきやすい
実際にはグレードと使用条件で判断します。材料名だけで熱処理条件や可否を決めず、図面と用途を確認することが重要です。
熱処理相談時のチェックリスト
- 正式な材質名、グレード名
- 図面または形状が分かる資料
- 数量
- 使用環境
- 希望する処理
- 要求される検査
- 希望納期
- SUSやインコネルからの置き換えかどうか
武藤工業に相談できること
ハステロイは、グレード・目的・要求特性により対応可否を確認します。材質名、図面、数量、処理目的を整理したうえで、要相談として扱います。
インコネル718の真空熱処理・時効硬化処理については、メインサイトに相談窓口を用意しています。
まとめ
ハステロイは、SUSやインコネルと同じように名前だけで判断すると危険です。特にハステロイはグレード差が大きいため、正式な材質名、図面、使用環境、要求特性をセットで確認する必要があります。
熱処理や加工を検討するときは、「ハステロイです」だけでなく、「どのハステロイか」「何のための処理か」「どの性能を満たしたいか」まで整理しておくと、要相談の可否判断が進みやすくなります。































