金属熱処理 Q&A
焼入れ / 焼戻し / 硬さに関するお問い合わせ
熱処理品を引張試験することは実際あるのですか?図面に引張試験の仕様が表記されていました。特に試料の採取位置などの記載がないのでどのように対処したらよいでしょうか?
特に大物の製品ですと、質量効果と言って製品の外部と内部で硬さの差が顕著に出ます。
そこで実際の製品を熱処理した後、その製品の内部から引張試験用の試料を採取して検査をすることがあります。
以下に引張試験の概要についてまとめました。
引張試験について
引張試験の概要
引張試験は、金属材料の機械的性質を測定するための試験です。この試験では、金属材料の引張強度、降伏点、伸び、絞りなどが測定されます。
試験の過程
試験機に試料をセットし、実際に試料の両端を引っ張って破断するまでの過程を測定します。
引張試験の実施に関する問題
熱処理と引張試験
製品そのものを熱処理して引張試験を行うことは難しいと考えられます。その理由は、引張試験において試料を適切な大きさで試験機にセットできないためです。
試験方法の規定
JISでは引張試験の方法や試料のサイズが詳細に規定されており、適切な試験条件を確保するための指針が提供されています。
試験用の試料
引張試験を行うためには、試験用の試料を別途作成し、製品と同じ条件で熱処理した後、試料に引張試験を行う必要があります。大物製品の場合、製品内部から試験片を採取し引張試験を行うことも考慮されます。
質量効果
金属熱処理における『質量効果』は重要な問題であり、同じ熱処理をしても引張試験用の試料と実際の品物では異なる結果が得られることがあります。
引張試験における注意事項
試料数の重要性
引張試験は破壊試験であり、試験結果の数値にはばらつきが考えられます。したがって、最低でも3つ以上の試料を用意することが望ましいとされています。
形状による強度の影響
引張試験は金属材料の機械的性質を測定するものであり、試料の形状による強度を測定するものではありません。
引張試験のサポート
武藤工業のサービス
武藤工業は引張試験に対応可能であり、『質量効果』について豊富な知識を持っています。試料の取り扱い方法や問題点について事前に説明し、エンドユーザー様のニーズに応じたサポートを提供します。
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