金属熱処理 Q&A

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熱処理を依頼したときに、熱処理した製品そのもので引張試験を行うことはできますか?

引張試験とは、金属材料の引張強度、降伏点、伸び、絞りなどの機械的性質を測定する試験です。
試験機に試料をセットし、実際に試料の両端を引っ張って破断するまでの過程を測定します。

製品そのものを熱処理して引っ張り試験を行うことは難しいと考えられます。
その理由は、引張試験は試験機にテストピースをセットし、実際にそのテストピースの両端を引っ張って破断するまでの過程を測定する試験です。

つまり、試験機に適切な大きさのテストピースをセットできないと試験ができません。
このため、JISでは試験方法や試料のサイズが詳細に規定されています。

したがって、
引張試験を行うためには、引張試験用のテストピースを別途作成し、製品と同じ条件で熱処理した後、テストピースに引張試験を行う必要があります。
また大物製品になりますと、実際に熱処理をした後にその製品を破壊して製品内部からテストピースを採取し引張試験をすることもあります。
これは、後述しますが質量効果があるため、特に大物製品ですとテストピースと製品の大きさの差が大きいため現物の製品からテストピースを採取しないと意味がないからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

引張試験は破壊試験であり、試験結果の数値にはばらつきが考えられます。
そのため、できれば最低でも3つ以上の試料を用意することが望ましいです。

また、引張試験は金属材料の機械的性質を測定するものであり、形状による強度を測定するものではありません。

また前述しました金属熱処理で避けては通れない『質量効果』という問題があります。
引張試験用のテストピースと実際の製品では同じ熱処理をしてもその結果に大きな差が出ることがあります。

 

武藤工業では、実際の引張試験に対して対応可能です。

『質量効果』を熟知しておりますので引張試験のテストピースをどのようにしたほうがよいのか、どのような問題が想定されるか事前にご説明することができます。

図面では書かれていない問題点を事前に顕在化し、エンドユーザー様に説明をしておくことはとても重要です。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

当サイトは、金属熱処理專門の武藤工業株式会社(神奈川・静岡・岩手)が運営しています。熱処理技能士が相談にお応えします

 



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