金属熱処理 Q&A

 ステンレス鋼(SUS304、SUS440Cなど) / 真空熱処理 / 硬さに関するお問い合わせ

SUS304の製品へ無電解ニッケルメッキをした後に真空熱処理を施します。今まで通常400℃で処理していましたが依頼先から500~600℃で処理してほしい旨の相談がありました。想定できるリスクはありますか?

500~600℃で処理する目的は何でしょうか?

無電解ニッケルメッキの硬化を目的としたベーキングでは

おおよそ400℃程度で硬さの最大値が出ます。

 

無電解ニッケル処理後の熱処理ですから

仕上がり品に熱を加えるわけです。

したがって

熱処理の目的を果たし、

かつ

熱による変寸、変形の恐れがあるため

なるべく低い温度で処理したいところです。

 

さらに重要なことは

500~600℃で処理しゆっくり冷やした場合

SUS304の本来持っている耐食性を低下させる

『鋭敏化』という問題も発生する可能性も

考慮する必要があると思います。

 

 

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