金属熱処理 Q&A
伸びる・縮む / 合金工具鋼(SKD11、SKS3など) / 歪む・曲がる / 焼入れ / 焼戻し / 真空熱処理 / 硬さに関するお問い合わせ
SKD11の焼入れ焼戻しで指定硬さがHRC58~62となっています。熱処理を依頼するときに「低温焼戻し」にするか、「高温焼戻し」にするかの判断基準を教えてください。
SKD11の場合
HRC58~60の場合は高温焼き戻し
HRC60~62の場合は低温焼き戻し
を選択しています。
いずれの焼き戻しを選択しても図面の指定硬さは満たしますが
次のことに注意する必要があります。
【高温焼き戻しの選択基準】
HRC58~60
後加工で放電加工やワイヤー加工がある場合
熱処理後にコーティングなどがある場合
靱性重視(靱性>硬さ)
寸法変化はプラス傾向
※プレート形状で反りを矯正する場合は必然的に高温焼き戻しになります
※弊社では高温焼き戻しは通常大気炉で行っています
【低温焼き戻しの選択基準】
HRC60~62
後加工は研磨等 硬さ重視(硬さ>靱性)
寸法は0~マイナス傾向
※プレート形状で反ってしまったときは高温焼き戻しをして反りの矯正を行ないます
※弊社では低温焼き戻しは通常真空炉で行っています
【注意】
各種鋼材メーカー様のSKD11の改良鋼では
硬さや寸法変化について異なる挙動をするものがあります。
武藤工業ではそれぞれにデータをとってノウハウを蓄積しております。
実際の依頼の際にご相談ください。
SKD11って他の材質に比べて価格は?どのような熱処理ができるの?
その回答がペラ1枚にまとまっております。
もしもSKD11の焼き入れ温度を変えたらどうなるのか?
実験レポートです。
SKD11の焼き入れ温度の違いと曲げ試験の結果資料ダウンロード
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