金属熱処理 Q&A

 ステンレス鋼(SUS304、SUS440Cなど) / 硬さに関するお問い合わせ

SUS304を硬くしたいです。不可能なら代替案として熱処理で硬くなるステンレスはありますか?硬さと耐食性を比較検討できたら助かります。

SUS304はオーステナイト系ステンレスといい

焼入れ焼戻し等で全体的に硬くすることはできません。

窒化処理により表面を数ミクロンを硬くすることはできます。

 

他の代表的なステンレス、SUS440C・SUS420J2(マルテンサイト系ステンレス)、SUS630(析出硬化系ステンレス)を比較した結果は以下の通りです。

ただし、耐食性の比較は、何に対しての耐食性か、使用温度により結果が変わります。

 

硬さのでの比較

HRC55以上⇒SUS440C

HRC50以上⇒SUS420J2

HRC40以上⇒SUS630

HRC20未満⇒SUS304

 

耐食性の比較

一般的にC量が多いほど耐食性が劣ると言われます。炭素CとクロムCrが結び付いてクロム炭化物が粒界に出来て鋭敏化を起こすためです。
鋭敏化測定の様子を公開しています

C量0.08%以下⇒SUS304

C量0.07以下⇒SUS630

C量 0.26~0.40%⇒SUS420J2

C量 0.95~1.2% ⇒SUS440C

 

関連性があるダウンロード資料を↓に挙げておきますね。

 

『ステンレスの区分』と『熱処理対応』早見表


SUS熱処理Q&Aまとめはこちら
SUS304引張試験データ

 

『材料費の比較』と『熱処理対応』早見表

熱処理材料と価格

 

 

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