金属熱処理 Q&A
応力除去焼鈍 / 焼なましに関するお問い合わせ
『焼鈍(しょうどん)』と『焼き鈍し(やきなまし)』って違う処理なんですか?それとも同じ処理なんですか?
熱処理の用語はあいまいなところがありますよね
弊社では
焼鈍といえば応力除去焼鈍のことを言い
加熱温度が550~650℃で徐冷します。
また焼き鈍しは
加熱温度が応力除去焼鈍より高くなります。
鋼材によっても変わりますが概ね800~880℃で炉冷(炉の中でゆっくり冷やす)します。
言葉があやふやな時は
熱処理する目的を熱処理業者に
伝えれば間違うことは無いと思います。
主な目的に軟化、結晶粒の調整、応力の除去などがあります。
※注意
①応力除去なまし、②完全なましのような分類をしている場合があります。
これを弊社の分類では以下のように使い分けしています。
①の応力除去なまし===「焼鈍」
冷間加工を施した部品の内部応力を除去して軟化したり、溶接部材の内部応力を除去してじん性を回復させたり、または焼狂いを少なくするための前処理として行う軟化焼なましです。加熱温度は500~700℃が適当で、溶接部の応力除去の場合の多くは625±25℃である。温度が高いほど軟化程度は大きいです。
②の完全なまし===「焼き鈍し」
最も一般的に行われるのが完全焼なましで、鋼をできるだけ柔らかくすることができます。不必要な残留応力の除去や、結晶粒が粗大化したものを標準組織に回復させます。
オーステナイトステンレス(SUS304・SUS316・SUS321・SUS347)の溶接後の焼鈍についてはこちらの資料を参考にしてください。
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