金属熱処理 Q&A

 伸びる・縮む / 歪む・曲がる / 真空熱処理に関するお問い合わせ

Φ20×10mmの小物部品でロットが1000個です。図面上は公差があり加工仕上げ後に真空焼入れをして、完成したいと考えています。熱処理後に公差を満たすためにはどうすれば良いですか?

ロットの数が多い場合の熱処理で

『寸法変化』や『公差』を考えると

真空炉をチャージして

毎回できるだけ処理条件を近づけて

処理することをおすすめしたいです。

 

ただコストとの関係もありますので

数種類の方法を提案をしたいと思います。

 

数種類の処理方法の提案の中で

テスト熱処理を行い

品質とコストのバランスで

処理条件を決定できればと考えています。

 

『焼入れ焼戻し』は『寸法変化』を必ず伴います。

言い方を変えると

『寸法変化』する結果『硬く』なるのです。

 

経験的に処理前寸法に対して

何%ぐらい縮むのか膨らむのか

統計的に把握しております。

 

ここで厄介なのが『統計的に』ということです。

いわば『アベレージ』です。

 

必ず全ての品物が同じだけ縮んだり

同じだけ膨らんだりするわけでは無いのです。

 

ご心配されている通り『公差』は

このように熱処理すれば

大丈夫と保証できるものではないので

寸法変化をできるだけ

最少に抑えられた場合に

期待されている『公差』を満たすことが

できるかどうかという考え方です。 

 

結論としては

私共から提案するいくつかの熱処理条件を選択して

トライして最善の処理方法を決定するという流れになります。

それでも全ての処理品の『公差』を

維持することが難しいという判断になれば

熱処理後の後加工を検討しなければならないでしょう。

 

当サイトは、金属熱処理專門の武藤工業株式会社(神奈川・岩手)が運営しています。熱処理技能士が相談にお応えします

 

 



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