金属熱処理 Q&A
ステンレス鋼(SUS304、SUS440Cなど) / 合金工具鋼(SKD11、SKS3など) / 機械構造用合金鋼(SCM435など) / 機械構造用炭素鋼(S45Cなど) / 炭素工具鋼(SK3など) / 鋳鉄品(FCDなど) / 高炭素クロム軸受鋼(SUJ2など) / 高速度工具鋼(SKH51など)に関するお問い合わせ
私達が加工する材質の名称は『頭文字S』から始まるものがほとんどです。ときどきFCDやFCという『頭文字F』から始まるものがあります。何か違いがあるのですか?
頭文字S(おおよその炭素量%)
・S45C(0.45%)
・SCM435(0.35%)
・SK3(1.05%)
・SKS3(0.95%)
・SUS304(0.08%以下)
・SUJ2(1.0%)
・SKD11(1.5%)
・SKD61(0.38%)
・SKH51(0.84%) など
炭素含有量が2%未満です
頭文字Fでよくあるもの(おおよその炭素量%)
・FC250(約3%)
・FCD500(約3%)
など
炭素含有量が2%を超えます
FCやFCDは
鋳物(いもの)とか鋳鉄(ちゅうてつ)と呼ばれています。
鋳物といって思い浮かべるのは
『鉄器』『ベーゴマ』『マンホール』など
型にドロドロに溶けた鉄を 流し込んで成型するものですよね。
このような製法の場合、
ドロドロに溶けた鉄が『固まる温度(凝固点)』が高いと
鋳物の型に流し込んでから固まるまでの時間が短く
すぐに固まってしまい
目的の形状にするのが難しくなってしまいます。
カーボン量が多くなると凝固点がさがります。
鋳物の凝固点は1200℃程度に下がり
鋳型での成型がしやすくなります。
通常のS45Cなどの鋼の融点は1500℃程度です。
学術的には
炭素量2.14%以上でSi(シリコン)の含有量も重要なようです。
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