金属熱処理 Q&A
伸びる・縮む / 合金工具鋼(SKD11、SKS3など) / 焼入れ / 焼戻しに関するお問い合わせ
SKD11で指定硬度HRC58です。高温焼戻しだから納期がかかると言われています。熱処理の納期を短縮する方法はありますか?

なぜ低温焼き戻しは1回で済むのに、
高温焼戻しは2回もしなければならないのか?
できれば1回で済ませて納期の短縮につなげられないかとの質問でした。
結論から申し上げると
高温焼き戻しは必要だから2回行っているということになります。
なぜ2回必要なのか
残留オーステナイト対策と言われております。
残留オーステナイトとは、簡単に申し上げると
焼入れで硬い組織に変化しきれなかった金属組織です。
製品を仕上げた後の経年変化に影響を及ぼします。
ある実験では高温焼き戻し5回まで残留オーステナイトの減少に効果があったそうです。
SKD11の高温焼き戻しは2回よりも3回やった方が良いという方もいるほどです。
効果とコストそして納期の面から現在の高温焼戻しは2回に落ち着いたのだと推測しています。
主な焼き戻しの目的を以下に挙げました。
硬さ・靱性(ねばり強さ)の調整
残留応力(焼入れで生じたストレス)を除くため
寸法変化の安定化(残留オーステナイト対策)
いくつか御提案できることがあります。
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