今年も岩手県工業技術センターの研究開発型人材育成事業に参加しました
今回は、岩手県産業技術センター主催の研修に参加した話をしたいと思います。
毎年この研修に参加しているんですが、企業の新商品開発や技術的な問題解決、製造工程の改善など、を目的として岩手県工業技術センター様が開催しています。
そして工業技術センターの職員の方が、様々な支援をしてくれるんですよ。
今回は、熱処理でよくある「質量効果」を、自分たちで目に見える形で捉えることを目指して挑戦しました。
今回参加したのは東北事業所製造部の平和朋と齊藤柊人です。
平和朋さん(たいらかずとも)は、もう金属熱処熱処理技能士1級、勤続10年を迎えます。
齊藤柊人さん(さいとうしゅうと)はやる気満々の新人です。
熱処理って、質量効果が本当にやっかいで、製品の大きさによって硬さが変わってしまいます。
しかも、製品の内側と外側で硬さが違うことも考慮しなければなりません。
しかし、図面では硬さの範囲がHRC52~55みたいに狭い指定されていることが多いんですよね。
だから熱処理の受け入れ時にお客様と我々熱処理の専門業者は認識のずれをできるだけ無くさなければなりません。
↑ロックウエル硬さ試験機で硬さ測定を行っている齊藤柊人(東北事業所 製造部)
↑焼入れした品物を切断して製品内部の硬さを測定しています①
↑焼入れした品物を切断して製品内部の硬さを測定しています②
↑硬さの測定結果をグラフにしました
↑硬さだけでなく金属組織の観察も行いました。平和朋(東北事業所 製造部リーダー)
経験豊富な平和朋さんも、今回の研修で新しい発見がありました、と報告を受けました。
『S50Cって材料が、もちろん質量効果については知っています。その重要性についてもです。ただ実際に試験としてやってみると新しい気づきがありました。S50Cなどの質量効果の大きい材料については、想像以上に内部の硬さが急激に落ちて、製品の大きさが硬さにダイレクトに影響するってことが身に染みてわかったんです。これをどうやってお客さんに伝えるか考えたとき、今回の研修の結果をわかりやすく1枚の資料にまとめることがいいんじゃないかって思いました。
この経験は、材質変更の相談を受けたときや、社内で新人さんを教育するときにも役立ちそうです。やっぱり、自分が実際に体験したことを共有するのが一番伝わるんですよね。これからも、技術の向上と人材育成にがんばっていきます!』