SUS304等のオーステナイトステンレスの『鋭敏化測定』の流れを写真で説明します。
鋭敏化とは???
本来『耐食性』を重視してオーステナイトステンレスを使っています。
一定の場合に大事な耐食性を弱めてしまうことがあります。
これを専門用語で【鋭敏化(えいびんか)】と呼んでます。
鋭敏化について熱処理業者と共に取り組むことが重要と考えます。
新規案件、重要部品などの実際の製品について測定し検査成績書とともにエンドユーザー様に納品する場面が想定できます。
測定することで将来の腐食に対する不安を顕在化させたり、クレーム対策に活かすことが望めます。
今回どのように『鋭敏化測定』をどのように行うのか
タイムライン形式で説明いたします。
↑測定器の精度を検証するために試験があります。
写真右が鋭敏化材(=錆びやすいもの)
写真左が非鋭敏化材(=錆びにくいもの)
どちらも鏡面に磨いてあります。
肉眼では判断できませんよね。
↑この測定器でSUS304等のオーステナイトステンレスについて
耐食性の状態を検査します。
↑今回はSUS304の
上段左から
・焼鈍材・フラットバー(コールド)
下段左から
・フラットバー(ホット)・No.1材
耐食性を調査します。
↑試験片をハンドグラインダーで磨きます。
↑最後はバフ磨きします。
↑7種類の砥石とバフの工程で磨き上げます。
磨きの精度は後工程の組織観察に影響を与えます。
↑鋭敏化度を測定したいところに白い保護テープを貼ります。
その白い保護テープには10×10mm角の窓があります。
その部分を測定します。
↑試験面に腐食液を貯めておくためにプラスティックの容器を
試験面に取り付けます。
液漏れしないように液体の瞬間接着剤を使います。
↑UVライトで5秒程度で固まります。
↑試験片に電極を取り付けます。
かなり繊細な作業になります。
↑鋭敏化測定のセッティングが終わりました。
全体像です。
↑プラスティック容器の中に腐食液を注入します。
↑液漏れがあると試験がうまく行きませんので
腐食液を入れてから一定期間待ちます。
液漏れが無いのを確認したら腐食液を一定量注入します。
↑腐食液を入れたプラスティック容器の中に
電極を差し込みます。
↑電極が垂直になるようにセットします。
これですべての準備が完了しました。
↑測定開始
↑測定完了後は電極を取り出します。
↑配線を撤去します。
↑腐食液を処分します。
試験面を洗浄します。
↑試験片からプラスチック容器を取り外します。
↑取り外しました。
↑試験面の水分をふき取ります。
↑白い保護テープを剥がします。
↑窓の部分は薬品で腐食するので光沢がなくなります。
実際の製品でテストを試験を行った場合には
試験後にグラインダーで軽く研削することをお勧めします。
↑試験後は組織観察を行います。
ポータブルの顕微鏡です。
↑タブレットを用意して、その場で組織観察ができます。
顕微鏡とタブレットはBluetoothで接続します。
↑ピントを合わせています。
倍率は100倍・200倍・500倍に対応しています。
↑検査したその場面で組織を見ることが出来ます。
↑
検査成績書を発行いたします。
出張測定も可能です。
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