金属熱処理 Q&A
ステンレス鋼(SUS304、SUS440Cなど) / 析出硬化熱処理 / 焼入れ / 焼戻し / 硬さに関するお問い合わせ
熱処理で製品全体が硬くなるステンレスを教えてください。
マルテンサイト系ステンレスと析出硬化系ステンレスは、熱処理を行うことで製品全体が硬くなる特性を持っています。
マルテンサイト系ステンレスにはSUS420J2やSUS440Cなどがあります。
これらのステンレスは焼入れ低温焼戻しという一連の熱処理を施すことで、高い硬さを得ることができます。
SUS440Cは一般的にHRC56〜58の硬さを示し、SUS420J2はHRC52〜54の硬さを示します。
SUS420J2の改良ブランド鋼ではSTAVAXやHPM38が有名です。
析出硬化系ステンレスにはSUS630などがあります。
この種類のステンレスは析出硬化処理によって硬さを得ます。
一番硬さがでるH900という処理があり、その場合でHRC40~43です。
素材の段階でH900を行ってから機械加工を行う場合もあれば、仕上げた製品にH900を行う場合もあります。
熱処理による寸法変化を伴うので事前に打合せが必要です。
ちなみにH900の900は温度を表しています。
華氏900度です。摂氏に直すと約480度です。
SUS420J2とSUS440Cは『焼入焼戻し』で硬くなり、SUS630は『析出硬化処理』で硬くなります。
焼入焼戻しの場合、焼入れ時に急冷するため質量効果が関係してきます。
析出硬化処理の場合、製品に対して適切な熱処理時に保持時間をとれば大きな製品で合っても硬さ測定場所による硬さの違いは大きくありません。
→ 『ステンレスの区分』と『熱処理対応』早見表
→ SUS熱処理Q&Aまとめはこちら
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