金属熱処理 Q&A

 合金工具鋼(SKD11、SKS3など) / 機械構造用炭素鋼(S45Cなど) / 炭素工具鋼(SK3など) / 焼入れ / 焼戻し / 真空熱処理 / 着色に関するお問い合わせ

S45C、SK3、SKS3の真空焼入れについて教えてください。

熱処理後もきれいに仕上がるなら

S45C、SK3、SKS3の焼入れ焼戻しを真空炉で処理したいとのことでした。

 

焼入れ焼戻し後の光沢のある仕上がりにするためには一定の条件があります。

 

【硬さについて】

焼き戻しを低温で行うことで光沢を保ちます。

ということは硬さの指定はできないということになります。

硬さの指定がある場合には高温焼き戻しをすることになり、

弊社では通常大気炉で処理するため

焼き戻し時に着色します。

 

【曲り、反りの矯正について】

これらの鋼種は焼入れ時に油で急冷するため、曲り反りが発生しやすくなります。

焼入れ時に発生した曲りや反りを焼き戻しの工程で矯正していきます。

そのとき低温焼き戻しでは曲りや反りの矯正が出来ないので

高温焼き戻しをします。

弊社では通常高温焼き戻しは大気炉で処理するため焼き戻し時に着色します。

 

※もちろん高温焼き戻しを真空炉でやることは可能ですが、コスト面や需要面から行っておりません。

【まとめ】

S45C、SK3、SKS3の真空焼入れに向いているもの

  1. 指定硬さがその鋼種の最大値であること
  2. 曲りや反りが発生しにくい安定した形状であること

 

当サイトは、金属熱処理專門の武藤工業株式会社(神奈川・岩手)が運営しています。熱処理技能士が相談にお応えします



熱処理お役立ちライブラリ


会社概要