金属熱処理 Q&A

 焼入れ / 焼戻し / 硬さに関するお問い合わせ

同じ材質を焼入れ焼戻しした場合でも、大きさによって硬さは変わりますか?

焼入れ品の大きさが硬さに多大な影響を与えることがあります。

専門用語では『質量効果』と言います。

 

簡単に説明しますと

※①

焼入れするものの大きさが大きくなればなるほど、硬さが入りにくくなります。

※②

硬さの入り易さ、入り難さは、材質によって大きく変わります。

 

※①について

焼入れ焼戻しは、鋼材を一定の温度まで熱した後、急激に冷やすことによって硬くなります。

つまり、冷える早さが硬さの値に影響を与えます。

早く冷えないと一定水準以上の硬さにならないのです。

大きい材料はその内部まで一気に冷えないので硬さが入りにくい、ということになります。

 

※②について

材質ごとに硬さの入りにくさに大きな違いがあります。

特にS45Cに代表される機械構造用炭素鋼は、注意が必要です。

0.3Kg程度の小物ではHRC50まで入ったのに、1Kg程度のものでHRC40も入らないことがあります。

また、このような場合、端ではHRC45入っているのに中央部ではHRC30程度ということもあります。

 

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